西洋の書物文化は、1455 年頃にヨハン・グーテンベルクが活版印刷術を用いた初めての本、いわゆる「グーテンベルク聖書」を完成させる以前に、約一千年にわたる長い手書き写本の歴史を持つ。鞣(なめ)された獣皮(羊皮紙)に羽ペンで手書きされ、金やさまざまな色の顔料で彩飾された写本は、その機能性と美しさの両面において、ひとつの完成の域に達していた。
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