Hiroshi Aramata Natural History Book Collection

雑誌 Curtis's botanical magazine, or, Flower-garden displayed

Curtis's botanical magazine, or, Flower-garden displayed ... / by John Sims

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18 世紀後半は大航海の副産物として、異国の珍品・奇品がもてはやされ、とりわけ異国産植物の栽培が流行した。リンネ派のウィリアム・カーチス(1746-1799)は英国の博物学者。ロンドンで薬剤商を営むかたわら、植物学と昆虫学に関する多くの著作を刊行した。『カーチスの植物学雑誌』は、英国最初の植物学雑誌で、新種・珍種の植物が美麗な手彩色銅版画で紹介され、愛好家の間で熱狂的な人気を博した。現在なお刊行され続けている希有な雑誌である。 ボタニカル・マガジンこと『植物学雑誌』が人気を博していた 19 世紀初頭、スイス人の植物学者ゲスナーは、前世紀末のヨーロッパにはすでに 1600 の植物園があったと報告している。すでにこの頃から、たんに薬草栽培と教育の場としてだけの植物園は衰退し、より広い大衆に向かって開かれた大規模な植物栽培の現場として発達し始める。一般向けの短期園芸講座なども開設され、大人のみならず子供にまで門戸を開放した。なかでも英国のキュー・ガーデンは、珍種・新種の発見のために採集旅行団を派遣したり、育成可能な土地に安価な植物を提供したりして、植物熱昂進に大きく貢献した。 キュー・ガーデンが広めた植物には、インドゴムノキ、パイナップル、バナナ、紅茶、コーヒー、カカオ、キナノキ、さまざまな樹木などである。

(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)

詳細情報

言語
英語
図版ページ

(v.39(1814)~48(1821)のみ所蔵)

請求記号
120Y@509@7@39/40~47/48
資料種別
準貴重書
図版
一部公開