Hiroshi Aramata Natural History Book Collection
巻号頁数:t. 1, p.403 製作者:Edouard TraviVs(素描家);Forget et Beyer (彫版師) 版画技法:鋼版(手彩色) 刊行年:1841
古来、爬虫類、とりわけ蛇は、画家たちの関心を強く惹いた。まずもって、その皮膚にプリントされたまだら模様が美しく、また獲物を呑み込む仕方がとりわけ恐怖心をそそったからである。いうまでもなく、ヨーロッパ人の蛇に対するこの恐怖心には、メデューザの頭に射すくめられる伝説が大きな役割を果たしている。フランス伝統のヴェラム・コレクションでも、蛇は徐々に鎌首をもたげたり、蝮のように絡み合った姿で描かれるようになるが、19 世紀に入っても、この図版のような、読者の側の怖いもの見たさの好奇心に訴えるような版画が制作された。
(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)