Hiroshi Aramata Natural History Book Collection

『系統別配列による動物界』

Le règne animal distribué d'après son organisation: pour servir de base à l'histoire naturelle des animaux, et d'introduction à l'anatomie comparée / par Georges Cuvier, …

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キュヴィエは、大革命とナポレオン時代にまたがるフランス博物学黄金時代を代表する学者である。ビュフォンの『一般と個体の自然誌』を継承するかのような、総合的で大規模な博物学書、あるいは事典が刊行された時期であり、キュヴィエの『比較解剖学講義』全 5 巻(1800-1805) や『動物界』(初版 1817)は、そうした流れの頂点に立つ大作だったのである。 キュヴィエは、ドイツ領だったモンベリアール生まれ。幼くしてビュフォンの『一般と個体の自然誌』を全巻読破するほどの早熟ぶりを示し、シュツットガルトの大学で学んだのち、ノルマンディーで海産動物の研究に打ち込み、博物学者としての才能をあらわした。ジョフロア・ サン・ティレールに認められて,パリ自然史博物館の比較解剖学教授に就任。科学アカデミー とアカデミー・フランセーズの会員になり、ナポレオン時代にはパリ大学の副総長をつとめ、 教育行政にまで腕を振るい,王政復古後にも権勢を維持しつづけた。 主著『動物界』は動物の分類について決定的な寄与と言われている。この第 3 版は全部で 20 巻 あるが、偶数巻の 10 冊がすべて図版で、1000 点弱を収録する。その多くは手彩色で、おそらく はフランス 19 世紀銅版画芸術の最高レヴェルを達成している出来映えの図版集である。 18 世紀末のパリ自然史博物館で、無脊椎動物を研究して動物学の体系化に大きな貢献をしたのが、ラマルク(1744-1829)だった。彼は、伝統的な自然の階梯説を踏まえた、いわゆる「セリー」 (系列化)にもとづく、やや直線的な生物進化の思想を打ち出したが、25 歳若いキュヴィエは、 それに反対し、動物界を四つの「門」に分けて、それぞれを細分するという新しい主張を唱え た。主著『動物界』でまとめられた動物の総合分類は、キュヴィエが 1812 年に発表した学説を踏まえたものである。以下にその分類表の大枠を掲げる。
Ⅰ.脊椎動物部門:哺乳綱、鳥綱、爬虫綱、魚綱
Ⅱ.軟体動物部門:頭足綱、翼足綱、腹足綱、無頭綱、腕足綱、蔓足綱
Ⅲ.体節動物部門:環虫綱、甲殻綱、蜘蛛綱、昆虫綱
Ⅳ.放射動物門:食虫動物綱、棘皮綱、腸虫綱、棘胞綱、水綱、適虫綱

(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)

詳細情報

著者名(原書)
Cuvier, Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert, 1769-1832
著者名(姓のみ日本語)
キュヴィエ
出版地・出版年(日本語)
パリ 1836-1849年
言語
フランス語
図版ページ

計992(v. 2: 121, v. 4: 102, v. 6: 46, v. 8: 122, v. 10: 152, v. 12: 83, v. 14: 118, v. 16: 61, v. 18: 87, v. 20: 100)

請求記号
120Y@521@20@1~20
資料種別
準貴重書
図版
一部公開