高橋浮世絵コレクション
鶴上の遊女
Courtesan Flying on a Crane
IIIF Manifest
文を読む遊女の図像は浮世絵ではしばしば見うけられる画題であるが、ここではその遊女は飛翔する白鶴の背に乗った姿で描かれている。この乗鶴美人の画題は、中国の乗鶴仙人を見立てたものと解釈される。中国では鶴に乗る仙人としては王子喬と費長房の逸話が知られるが、浮世絵では奥村政信の絵本中に「費長房仙女」と傍記した乗鶴美人図があり、本図もその系譜と考えられる。 鶴の羽は絵具を用いずに版木の凹凸を紙に浮かび上がらせるきめ出しと呼ばれる技法で、繊細な効果をあげている。春信の中性的で清爽な美人図は多くの追随者を生んだ。(樋口一貴)
詳細情報
- 作者
- 鈴木春信
- 作者英名
- harunobu
- 画題
- 鶴上の遊女
- 請求記号
- 200X@30
- 制作年代
- 18世紀中期
- 版元
- なし
- 極印
- なし
- 版型
- 中判錦絵
- 寸法
- 27.8×20.8
- 署名
- 春信画