高橋浮世絵コレクション
二世小佐川常世
The Actor Osagawa Tsuneyo Ⅱ
IIIF Manifest
二世小佐川常世は、四世岩井半四郎、三世瀬川菊之丞に次ぐ当時の人気の女形。きりりとした落ち着きのある表情を見事に捉えているが、何の役柄を演じているのかは特定できていない。この絵が制作された寛政6年、常世は「恋女房染分手綱」の一平姉おさんと仲居お常、「義経千本桜」の静御前を演じたのだが、描かれている扮装がいずれの役とも合わないからである。 釣りあがった太い眉、くぼんだ両眼、出っ張った頬骨のラインと、演じる女性役の下に隠されたいかつい男性の素顔を、写楽の筆は非情にも見逃さない。 写楽作品の中で最も評価が高い、雲母摺の背景を施した大首絵シリーズの中の一図である。(日野原健司)
詳細情報
- 作者
- 東洲斎写楽
- 作者英名
- sharaku
- 画題
- 二世小佐川常世
- 請求記号
- 200X@100
- 制作年代
- 寛政6年(1794)
- 版元
- 蔦屋重三郎
- 極印
- 極印
- 版型
- 大判錦絵
- 寸法
- 38.4×25.7
- 署名
- 東洲斎写楽画