高橋浮世絵コレクション

市川鰕蔵の竹村定之進

The Actor Ichikawa Ebizo in the Role of Takemura Sadanoshin

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逆ハの字形をした眉に、見開かれた両の眼(まなこ)。大きな鷲鼻の下では、結んだ口元の端が緩み、なかから赤い舌がのぞく。一度目にすると瞼に焼き付いて離れないこの似顔絵は、人気歌舞伎役者市川蝦蔵(五世団十郎)のブロマイドとしてつくられたものである。 謎の絵師写楽は寛政六・七年のわずか十ヶ月足らずの間に、百四十図ほどの版画を残して忽然と姿を消したことから、古来多くのミステリーに材料を提供した。その正体はおそらく阿波藩お抱えの能役者とされ、ために歌舞伎を皮肉っぽく見下ろす視点があるとも評される。奇抜で斬新、けれどもアクの強い彼の役者絵には、当時から賛否の意見が分かれたという。

詳細情報

作者
東洲斎写楽
作者英名
sharaku
画題
市川鰕蔵の竹村定之進
請求記号
200X@99
制作年代
寛政6年(1794)
版元
蔦屋重三郎
極印
極印
版型
大判錦絵
寸法
36.6×24.8
署名
東洲斎写楽画