高橋浮世絵コレクション
三世ヵ市川高麗蔵の志賀大七
The Actor Ichikawa Komazo Ⅲin the Role of Shiga Daishichi
IIIF Manifest
懐手のまま刀の柄頭に手をかける、面長な顔立ちの侍。隈取を施した両目は寄り、口元はきりりと結ばれる。歌舞伎で悪(わる)に徹する実悪と呼ばれる役どころを、三世高麗蔵が見事に演じる姿である。 写楽のデビュー作は豪華な雲母摺の背景を施した大首絵群で、本図もそのなかのひとつ。大判錦絵に面貌を大写しにするこれらの作品は新人絵師の作品としては異例であるが、写楽の画業としては今日もっとも評価の高い作品群でもある。ときに辛辣に過ぎる彼の役者絵は、その当初こそもの珍しくもあったが、役者や贔屓筋には振り向かれず、結果的には短命に終わることになる。
詳細情報
- 作者
- 東洲斎写楽
- 作者英名
- sharaku
- 画題
- 三世ヵ市川高麗蔵の志賀大七
- 請求記号
- 200X@98
- 制作年代
- 寛政6年(1794)
- 版元
- 蔦屋重三郎
- 極印
- 極印
- 版型
- 大判錦絵
- 寸法
- 32.8×25.6
- 署名
- 東洲斎写楽画