高橋浮世絵コレクション
高名美人六家撰 難波屋おきた 再出
An Anthology of Six Famous Beauties : Naniwaya Okita
IIIF Manifest
茶托に載せた茶は、まもなく彼女をお目当てにやってきた男性客のもとへ送り届けられることだろう。半身のみを大きくクローズアップして描き出すこの図は、水茶屋と呼ばれる休憩所の看板娘で評判を浚った、おきたという女性をモデルとしたものである。愛くるしい表情で巷の人気を集めた彼女を目当てに、多くの江戸の男たちはこぞってこの水茶屋を訪れたという。 美人画で大首絵と呼ばれる半身像を描くことは、絵師歌麿の独創にかかるものである。歌麿は寛政期に同種の美人画版画を多数発表して、一気に浮世絵界のスターダムにまでのし上がった。表情を大写しにすることで女性の複雑な心理をも汲み取ろうとする彼の意欲的な美人画は、長い浮世絵の歴史のなかでも随一の評価を得ており、以降の浮世絵美人画すべてに強烈な影響を与えている。
詳細情報
- 作者
- 喜多川歌麿
- 作者英名
- utamaro
- 画題
- 高名美人六家撰 難波屋おきた 再出
- 請求記号
- 200X@107
- 制作年代
- 18世紀後期
- 版元
- 近江屋権九郎
- 極印
- なし
- 版型
- 大判錦絵
- 寸法
- 36.1×25.7
- 署名
- 哥麿筆