高橋浮世絵コレクション
梅もぎ
Picking Plum ( Triptych )
IIIF Manifest
初夏のころ、青梅の実を採るようすを描いたものと思われる。梅といえば通常は初春の梅花見物が主題となることが多いのだが、浮世絵ではありきたりのそうした状況設定を、図では故意に避けたものだろうか。落ちた実を競って拾う幼童もいれば、道具を使い、また肩車で枝に手を伸ばす女たちもいる。人々の生活風俗を描く版画としては、面白い着想の作品である。 絵師豊広は、歌川豊春の門人で豊国とは兄弟弟子にあたる。派手さこそないものの、静謐で堅実な作風が旨の絵師であり、このほか風景表現などにも関心を寄せた。それはのちに門人広重によって発展的に継承されていく。
詳細情報
- 作者
- 歌川豊広
- 作者英名
- toyohiro
- 画題
- 梅もぎ
- 請求記号
- 200X@3-17,18,19
- 制作年代
- 19E
- 版元
- 西村屋与八
- 極印
- 文化8-11年 大坂屋秀八(行事印) 極印
- 版型
- 大判錦絵三枚続
- 寸法
- ( 右)38.4×24.6,(中)39.2×25.0,(左)38.1×25.1
- 署名
- 豊広画