高橋浮世絵コレクション
よし原蛤や稲葉
The courtesan Inaba of the Hamaguriya House
IIIF Manifest
頭から羽織を被った武士の前には巨大な蛤、その口からは禿を引き連れた豪勢な花魁道中が蜃気楼となって立ち現れている。同じ花魁が貝の口と行列との二度にわたって描かれ、異時同図表現となっている。富山湾で春によく見られる蜃気楼は、現在では光の異常屈折による自然現象と解明されているが、かつては蜃(おおはまぐり)の吐く気によって海面に現出した楼台と解されていた。 自ら版元も経営した奥村政信は、十八世紀前半を代表する浮世絵師である。ここでの美人には、政信と同時代に活躍した懐月堂派の影響が見られる。(樋口一貴)
詳細情報
- 作者
- 奥村政信
- 作者英名
- masanobu
- 画題
- よし原蛤や稲葉
- 請求記号
- 200X@A1
- 制作年代
- 18世紀前期
- 版元
- なし
- 極印
- なし
- 版型
- 特大判墨摺絵
- 寸法
- 49.7×36.2
- 署名
- 大和画工奥村政信図