インキュナブラコレクション

031g

レスケリウス 『よい手紙の書き方』

Rhetorica pro conficiendis epistolis accommodata

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15世紀後半に活躍したドイツ人パウル・レッシャー(もしくはレスケリウス)が著わした本書は、本合冊本に収められた最後の第7編で、他のテクストとほぼ同時期に印刷された。しかし、他のテクストとは異なり、ドイツ東部のライプツィヒではなく、中世の頃から有力な都市であったケルン(ドイツ西部)で印刷された。他のテクストのようにラテン語の韻文をテーマとし、特に書簡作文について書かれている。レッシャーについてはまだ詳しくは知られていないが、1478年に南バーバリア地方のインゴルシュタットという街の大学に勤めた足跡が残る。インゴルシュタット大学は、15世紀末期に「フマニズム」の強い影響のもとで栄え、レッシャーがそこで人文主義の教師であったことを考えると、彼の名声が南バーバリアから北西ドイツのケルンまでに伝わっていたとことが推察される。
ケルンは中世から通商の町であった上、ドイツで四番目に古い大学として1378年に設立され、早い時期から ‘artes liberales’ (自由七科)が導入された。
本書の印刷業者ハインリヒ・ケンテルはドイツ全域で有名であった。1479年から1500年にかけて約400著作を印刷したことが知られている。母国語であるドイツ語の書物はあまり出版せず、主要な印刷物はラテン語の作品であった。数多くの書物の冒頭に印刷商標のように使った ‘Accipies’ と呼ばれる木版画は、彼の印刷物の最大の特徴である。本書にも用いられているこの木版画のテーマは ‘Magister cum Disciple’ として知られ、本書は基本的に大学で用いられるためのテクストであったと考えられる。合冊本中のライプツィヒで印刷された他の6編と同じ目的のために印刷されたにもかかわらず、ライプツィヒ刊行本と違い、行間が狭く、本文は小さい文字で印刷された。書き込みも少なく、所々に赤インクで下線が引かれてある程度である。
本書のテクストが個人的にケルンからライプツィヒに持ち込まれたものか、もしくはケルンの活発な書籍商業活動のもとライプツィヒに輸出されたかは明らかとはなっていない。

(StN)

詳細情報

Author
Lescherius, Paulus
Place of Publication
Cologne
Printer
Heinrich Quentell
Format

4º

Date of Publication
[1495]; [1494-1500]
Binding

Volume of seven texts [031a-g] in a contemporary German half pigskin leather binding over wooden boards engraved with blind stamping, using a ms fragment, a fully functional hook-clasp fastening with ornamental engraving.

Bibliographical Notes

24 leaves; a large woodcut illustration on the title page; spaces for initial capitals; underlines supplied in red.

ISTC
il00183000
Reference
Goff L183, HC 10033*, BMC I 294, PP 44, IJL 199, IJL2 249
Shelfmark
120X@860@1
Acquisition Year
1989
Provenance

Hartung und Karl, München 8 November 1988, lot 241.