インキュナブラコレクション

010

ヨハネス・トリテミウス 『聖職者の著作について』

De scriptoribus ecclesiasticis. Ed: Johannes (Heynlin) de Lapide

IIIF Drag-n-dropIIIF Manifest

この著作はヨーロッパで初めて活版印刷された著者名別書誌として知られる。950人以上の著者によって書かれた約7000冊が収録されている。本文で、著者名は、年代順に列挙されていて、聖クレメンスから始まっている。これは慶應本でも同じである。それぞれの著者名の次に、短い伝記、著作一覧、それぞれの著作がどのジャンルに属しているか、それぞれの著作の巻数、そして冒頭句(incipit)が記されている。ジャンル名の例としては、「本」(liber)、「説教」(homilia)、「書簡」(epistola)などがある。慶應本では多くの著作について冒頭句が欠けているが、出版後にあとから手書きで付け加えられている部分も見いだされる。

本文に先だって、アルファベット順著者索引が置かれており、本文の年代順構成を補っている。この索引の一エントリーは、著者名とその著者について論じている最初のフォリオ・ナンバー(表裏の区別なし)から成っている。

トリテミウスは1462年にトリッテンハイム(トリテミウスという名はこの地名に由来する)に生まれ、トリアとハイデルベルクで学んだ。1482年にスポンハイムのベネディクト会修道院で修道士となり、同修道院長となった。彼の到着時には数十巻の蔵書しかなかった同修道院図書館は、彼の収集活動によって2000巻を数えることになった(半分は手写本、残り半分は印刷本)。自らを本書で扱われた最後の著者として含め、修道院の規則や聖人伝、説教書、書簡などの17書を挙げている。

ヨハネス・アマーバッハは、1434年ごろドイツ・ロイトリンゲンに生まれ、パリで学んだ後ニュルンベルクの大印刷業者であるコーベルガーのもとで働き、おそらく彼の援助を受けて、1475年に自分の印刷所をひらいた。アマーバッハは、バーゼルの初期印刷業者のなかで最も活動的で重要な人物とみなされてきたが、量的にはミヒャエル・ヴェンスラーによって(ヴェンスラーが1491年にバーゼルでの印刷活動をやめ失踪する時点まで)凌駕されていた。



(YA)

詳細情報

Author
Tritheim, Johann
Place of Publication
Basel
Printer
Johann Amerbach
Format

fº

Date of Publication
[after 1494-08-28]
Binding

Modern antique style calf over boards, blind-tooled.

Bibliographical Notes

147 leaves (of 148), wanting u8, u1 inserted from another copy; initials rubricated in blue and red throughout (though blue is used only for the first 26 pages); some annotations in a contemporary hand throughout.

ISTC
it00452000
Reference
Goff T452, HC 15613*, BMC III 755, IJL 285, IJL2 368, PP 51
Shelfmark
120X@573@1
Acquisition Year
1982 (from the General Theological Seminary Sale, at Christie's New York, on 1 October 1980)
Provenance

1. Georg Kloss, Frankfurt am Main (A1r, A2r). 2. The General Theological Seminary, Christie's New York, on 1 October 1980, lot 12 (stamp: 'GEN. THEO SEMINARY LIB. NY'; A1r ).