デジタルで読む福澤諭吉

通貨論

西南戦争による紙幣増発のため銀紙の間が著しく開いた通貨価値の急変に対する時事評論で、福沢はこの書を著わすために大蔵省の金庫を見学し、日本貨幣の沿革や西洋諸国の通貨事情に関する文献を大蔵卿大隈重信の手を通じて借り出して研究し、冒頭の一節だけは慶応義塾から出ていた「民間雑誌」と題する日刊新聞に発表したが、その続稿は書き卸しのまま単行本として出版したものである。
明治十一年五月刊行。四六判、洋紙、七十頁、漢字片仮名交り活字印刷、表紙は厚手の洋紙の片面を緑色に染め「福沢諭吉著/通貨論全/明治十一年五月出版」の文字を三行に印刷し、周囲を隻柱罫とオーナメントで囲んだ意匠で、扉は白の洋紙に表紙と全く同一の印刷を施し、右下隅に「福沢氏蔵版印」、枠外左下隅に「定価金廿二銭」の朱印が押してある。巻末には、「明治十一年五月八日版権免許」と記し、著述出版人として福沢の住所氏名、売捌書林として丸家善七、山中市兵衛、慶応義塾出版社の名が所在地町名番地と共に併記してある。

詳細情報

タイトル

通貨論

ヨミ
ツウカロン
別タイトル

On currency

出版地
東京
出版者
福澤氏蔵版
出版年
1878
識別番号

福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A28
請求記号: 福 28-4 著作