高橋浮世絵コレクション

花桶 (石川豊信)

Flowers in a Pail

IIIF Drag-n-dropIIIF Manifest

髪を兵庫髷に結い上げた遊女の立姿である。縦長の構図にS字を描く女性を塩梅よく配している。彼女の最大の関心事は、小首をかしげて眺め見ている、梅の枝に結んだ短冊のようだ。亀甲・雪輪文の着物に梅文の帯で装い、手に提げ持つ花桶には梅・水仙・椿が投げ入れられており、ともに季節が早春であることを示している。 石川豊信は浮世絵の紅摺絵期を代表する美人画家で、色数は決して多くないながらも、着物や花の匂うような美麗さをたたえている。本図のような作品は、掛軸装に表具されて大切に鑑賞されることもあった。(樋口一貴)

詳細情報

作者
石川豊信
作者英名
toyonobu
画題
花桶
請求記号
200X@A4
制作年代
18世紀中期
版元
村田屋治郎兵衛
極印
なし
版型
幅長広判紅摺絵
寸法
67.4×16.8
署名
咀篠堂石川秀葩豊信図、石川氏、豊信