高橋浮世絵コレクション
八百屋お七 瀬川菊之丞・小姓吉三良 市川八百蔵
The Actors Sagawa Kikunojo and Ichikawa Yaozo in the Roles of Yaoya Oshichi and Kosho Kichisaburo
IIIF Manifest
「寒玉子 八百屋の籾に ぬくめ鳥」 天和二年の江戸大火事の折に、一時身を寄せた寺の小姓を見染めたのが、八百屋の娘、お七。もう一度火災になれば吉三郎に会える、という思いが高じて、ついに放火に走った彼女は、下手人として火刑に処された。娘の一途な恋心がおこした哀れな事件は芝居や小説に脚色されたが、若衆を描いた羽子板と恋文とをもつ本図の主人公も、その姿をやつしたものである。 涼しい目に丸顔をした女性像は、十八世紀前半の美人画の理想型であり、当該期の人気絵師奥村政信もそれをよくした。掛物に匹敵する大ぶりの画面に描かれた肢体は、桜花に暖簾模様をあしらった振袖や、市松模様の帯などで包まれ、着衣の描き出す流麗な描線がことにひきたっている。
詳細情報
- 作者
- 北尾重政
- 作者英名
- shigemasa
- 画題
- 八百屋お七 瀬川菊之丞・小姓吉三良 市川八百蔵
- 請求記号
- 200X@26
- 制作年代
- 明和4年(1767)
- 版元
- 西村屋与八
- 極印
- なし
- 版型
- 細判紅摺絵
- 寸法
- 28.6×13.5
- 署名
- 北尾重政画