高橋浮世絵コレクション
隅田川渡し船
Ferry Boat across the Sumida River ( Triptych )
IIIF Manifest
女性や武士、猿回しの乗る渡し船が、隅田川東岸に近づいてきている。対岸の樹林に甍を聳やかすのは金龍山浅草寺であろうか。川の上流方向、遠景の筑波山は遠近法の消失点となっているが、こうした構図は司馬江漢の銅板風景画の影響を受けたものである。 鳥居清長は、天明期を代表する美人画家である。背の高くのびやかな姿態の、いわゆる“八頭身美人”で人気を博した。美人画といえば青楼を舞台にしたものが多かったなかで、清長の健康的でのびのびとした体躯の人物像は開放的な戸外の風景によく似合っている。鳥居派の四代目を継承した後は、家業の役者絵を専らとして美人画から遠ざかっていった。(樋口一貴)
詳細情報
- 作者
- 鳥居清長
- 作者英名
- kiyonaga
- 画題
- 隅田川渡し船
- 請求記号
- 200X@6-65,66,67
- 制作年代
- 18世紀後期
- 版元
- 高津屋伊助
- 極印
- なし
- 版型
- 大判錦絵三枚続
- 寸法
- ( 右)36.9×25.1,(中)36.8×25.4,(左)36.7×25.2
- 署名
- 清長画