高橋浮世絵コレクション
富嶽三十六景 山下白雨
Thirty-Six Views of Mt. Fuji : Rain Storm beneath the Peak
IIIF Manifest
「凱風快晴」、「神奈川沖浪裏」とともに、「冨嶽三十六景」の三役の一つに挙げられる作品。「黒富士」と通称される。 わずかに雪が残る富士山の山頂付近は雲一つない青空であるが、中腹に降りると夏雲が湧き出てきている。さらに山麓まで下ると、画面が黒々と塗られ、不吉な雨雲が地上全体を覆っていることが分かる。題名にあるように、白雨、すなわち突然のにわか雨に襲われているのであろう。極端なまでにデザイン化された稲妻がより一層その強烈さを物語っている。快晴と大雨、天空と地上という、相反するもの同士を、富士山というモチーフを通して一つの画面の中で結実させる北斎の卓越した発想が見事に表現された作品。文政末期~天保初期の作。 (日野原健司)
詳細情報
- 作者
- 葛飾北斎
- 作者英名
- hokusai
- 画題
- 富嶽三十六景
- 画題2
- 山下白雨
- 請求記号
- 200X@4-21
- 制作年代
- 19世紀前期
- 版元
- [西村屋与八]
- 版型
- 大判錦絵
- 寸法
- 25.1×37.5
- 署名
- 北斎改為一筆