高橋浮世絵コレクション

木曾海道六拾九次之内 望月

The Sixty-Nine Post-Stations along the Kiso Kaido Highway : Mochizuki

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木立の間に見え隠れする満月が、夜空で皓々と光り輝く。東海道と違い、とかく山道が連なる中山道の、鄙びた情景を描いたものである。旅の情趣をよくつたえる秀作で、作者得意の手慣れた手腕が冴えるが、街道に植えられた松の描写そのものには、浮世絵ではなく京都の四条派絵画の影響が指摘される。 もともと絵師英泉が起筆した中山道の揃物版画が、不評により名所絵の家元広重の手で継続された、いわくのある作品。結果的には漢画臭の強い前任者よりも、雪月花の和の心に通じた広重こそが適任であったことは、こうした作品をみれば十分理解できるところである。天保期の作。

詳細情報

作者
歌川広重
作者英名
hiroshige
画題
木曾海道六拾九次之内
画題2
望月
請求記号
200X@5-20
制作年代
19世紀中期
版元
伊勢屋利兵衛
極印
極印
版型
大判錦絵
寸法
24.5×37.7
署名
広重画 弌立斎