高橋浮世絵コレクション
坐鋪八景 手拭かけ帰帆
Eight Parlor Views : returning Sail Boats ( The Towel Stand )
IIIF Manifest
手水鉢で手を灌ぐ女の肢体は、全体に細く柔らかい曲線で包まれている。室内では、針仕事に甲斐甲斐しくいそしむもうひとりの横顔もみえる。縁側には手拭いが、帆船よろしく風を受けて揺れているが、これによって本図が、古来有名な中国の瀟湘八景のうち、遠浦帰帆の景色を見立てた風俗画であることが明らかとなる。 春信の錦絵は、その当時趣味人たちの間で熱気を帯びた絵暦交換の遊びから生れたものである。趣向を凝らした作品は好事家の創意にかかるものが多く、ここでも旗本大久保巨川がその名を画中に留めている。以降反映する錦絵版画は、穏やかな色調でまとめられた本図のように品のよいものこそが、その原点であった。
詳細情報
- 作者
- 鈴木春信
- 作者英名
- harunobu
- 画題
- 坐鋪八景 手拭かけ帰帆
- 請求記号
- 200X@29
- 制作年代
- 18世紀中期
- 版元
- なし
- 極印
- なし
- 版型
- 中判錦絵
- 寸法
- 28.2×19.3
- 署名
- 巨川