高橋浮世絵コレクション

三世沢村宗十郎の名護屋山三と三世瀬川菊之丞の傾城かつらぎ

The Actors Sawamura Sojuro Ⅲand Segawa Kikunojo Ⅲin the Roles of Nagoya Sanza and the Courtesan Katsuragi

IIIF Drag-n-dropIIIF Manifest

懐手で立つ名護屋山三と、それに寄り添うように立膝で座る遊女のかつらぎ。かつらぎを演じる三世瀬川菊之丞は、美人の女形として高い名声を誇っていたが、この頃は40歳を過ぎた頃。本来ならば役に見合うように演じる役者を美しく描くところを、写楽はあえて口元のシワを描くことで、年齢を感じさせるような表現をとっている。役者の素顔をありのままに捉えようとするこの冷徹な視線こそが、写楽の長所であり短所であると言えるだろう。本図は、話題となったデビュー作である大首絵群の次の時期に発表されたもので、顔だけでなく、役者の全身像を描くという新しい試みをしている。寛政6年の作。(日野原健司)

詳細情報

作者
東洲斎写楽
作者英名
sharaku
画題
三世沢村宗十郎の名護屋山三と三世瀬川菊之丞の傾城かつらぎ
請求記号
200X@101
制作年代
寛政6年(1794)
版元
蔦屋重三郎
極印
極印
版型
大判錦絵
寸法
37.9×24.7
署名
東洲斎写楽画