高橋浮世絵コレクション
風
Wind
IIIF Manifest
強い向かい風に抗いながら、乱れる着物を抑えつつ藤花の下を進む黒い御高祖頭巾の女性。口元をみるとお歯黒をしているようであり、既婚女性であることがわかる。商家のお内儀であろうか。裾から白い腿や脛が覗いているが、こうした主題は“あぶな絵”と呼ばれている。露骨な描写ではないものの、艶めいた情趣を催させるものである。 この極端に縦長の判型は柱絵というもので、明和~安永年間に流行した。構図形式上、一人ないし二人の人物の立姿が描かれることが多い。本図は鳥居清長の柱絵の代表作で、清長得意の長身の美人を、画面にうまく配置している。(樋口一貴)
詳細情報
- 作者
- 鳥居清長
- 作者英名
- kiyonaga
- 画題
- 風
- 請求記号
- 200X@A8
- 制作年代
- 18世紀後期
- 版元
- なし
- 極印
- なし
- 版型
- 柱絵判錦絵
- 寸法
- 70.8×11.7
- 署名
- 清長画