高橋浮世絵コレクション

新撰東錦絵 於富与三郎話

A New Collection of Eastern Colour Prints : The Story of Otomi and Yosaburo ( Kabuki Drama ) ( Diptych )

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「お富さんへ、イヤサお富、久しぶりだなあ。」 人気歌舞伎「与話情浮名横櫛」四幕目・源氏店(げんやだな)の、あまりにも著名な台詞は、登場する二人がこのあと家に上がりこんだところで発せられる。かつて不義の仲にあったために悲劇的な別れをした男女、すなわち、若旦那だった与三郎と木更津の親分の妾お富とが、劇的な再会を遂げる直前の場面である。 月岡芳年は国芳の門人で、菊池容斎にも傾倒した絵師。幕末明治の世相をあらわす血みどろ絵や、静謐な歴史画、美人画を描いた。なお余談ながら、高橋誠一郎先生はこの図で、手拭いを被った与三郎の上背のある姿を、自分に重ねていたともいう。明治十八年の作。

詳細情報

作者
月岡芳年
作者英名
yoshitoshi
画題
新撰東錦絵 於富与三郎話
請求記号
200X@6-10,11
制作年代
明治18年(1885)
版元
綱島亀吉
極印
明治18年12月14日
版型
大判錦絵二枚続
寸法
(右)36.5×25.0,(左)36.8×25.0
署名
芳年、芳秊