荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション
巻号頁数:Tab. XII 版画技法:リトグラフ(手彩色) 刊行年:1859
製鉄用に、石炭乾留によってコークスを製造することが、18 世紀、石炭のもっとも重要な利用法だった。ただ、乾留からえられるガスとコールタールは捨てられていた。19 世紀に入ると、ガスの照明用に乾留が盛んに行われるようになった。20 世紀に石油がエネルギー源を支配するまで、都市ガスの原料は石炭乾留によるガスだった。また、石炭の低温乾留からえられるコールタールは、19 世紀中頃から染料の製造や、各種の薬品、有機化学製品、医薬などの製造技術に不可欠の物質となった。
(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)