荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション
巻号頁数:t.1, p.644 版画技法:エッチング 刊行年:1818
ロンドン郊外のリッチモンドとキューの間のテムズ川沿いにあるキュー・ガーデンには、現在 2ha 以上の温室があるが、トマス・グリーンが紹介しているこの温室も、当時王立植物園になる直前のキュー・ガーデンのグリーン・ハウスと同じような様態を見せていたものと想像される。キュー・ガーデンは1759 年、ジョージ 3 世の母だったオーガスタによって設立された。19 世紀には多くの温室がつくられ、ヤシ園や果樹園などが注目されたことで知られる。
(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)