高橋浮世絵コレクション
両国涼見三幅対 中 (石川豊信)
Enjoying the cooking at Ryogoku ( Center Sheet of a Triptych )
IIIF Manifest
「蛍まつ 姿や水を 結ひまげ」 柳の下の床几に座して、団扇をもてあそぶ態である。涼みに出てはみたものの、肌をなでる風とてない。頭上で柳の枝はそよがず、また燈火の煙もほぼ真上に立ち上っている。だが悠然とくつろぐ姿は、これから始まる異性との出会いのドラマを、そこはかとなく期待しているようでもある。 絵師石川豊信は奥村政信の画風の影響下に作画した絵師で、数多くの版画や絵画を手懸けた。掲出の版画は江戸両国の風俗を三図に描き分けた作品の、本来中央に位置する一図。夏模様をとらえた佳品で、簡素な紅摺絵による表現がかえって深い趣きを醸し出している。
詳細情報
- 作者
- 石川豊信
- 作者英名
- toyonobu
- 画題
- 両国涼見三幅対 中
- 請求記号
- 200X@24
- 制作年代
- 18世紀中期
- 版元
- 上村
- 極印
- なし
- 版型
- 細判紅摺絵
- 寸法
- 31.4×14.6
- 署名
- 石川豊信筆