荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション
巻号頁数:(通しで)p.28, Tab.3. 版画技法:リトグラフ(手彩色) 刊行年:1848
古くから、貴族や王族は権勢誇示のために珍獣(サイ、ゾウ、ラクダ、キリン、ヒクイドリなど)を飼育したり、狩猟に熱中したりして、動物との関わりを絶やそうとはしなかった。やがて、17、18 世紀になると、ヴェルサイユ宮やシェーンブルン宮の動物飼育所が人気を集めるが、徐々に飼育された動物から、世人の関心はさらに珍しい奇獣、珍獣をもとめるようになる。19 世紀初めのマレーバクは、まだ乱獲前。ミャンマー、タイ、マレー半島、スマトラ島に棲息し、アフリカバクがおしなべて褐色であるのに対し、白黒の二色で人気を集めた。
(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)