高橋浮世絵コレクション
市川団十良 (鳥居清信)
IIIF Manifest
まるで邪鬼を掴む鬼のように、片手で鴉天狗を持ち上げる猛々しい武将。実はその姿は、舞台上で演じられる歌舞伎芝居の一場面であり、演者は人気役者二世市川団十郎と推定される。江戸歌舞伎は荒事芸にこそ華があるとされるが、図でも見得を切る独特のポーズはもとより、体躯を包む大胆で粗放な描線が、初期の都市江戸の荒々しい空気を如実に反映している。 本図は無款ながら、古来役者絵元祖の鳥居清信の作とされるもの。鳥居派は芝居絵で浮世絵界に君臨したが、本図も享保五年前後の作と推定される。
詳細情報
- 作者
- 鳥居清信
- 作者英名
- kiyonobu
- 画題
- 市川団十良
- 請求記号
- 200X@5
- 制作年代
- 18世紀前期
- 版元
- 伊賀屋勘右衛門
- 版型
- 細判漆絵