解説
15世紀にオランダ人が持ち込んだヨーロッパの医学書の解剖図は、我が国の医学に大きな影響を及ぼしました。「腑分け」と呼ばれた刑場の人体解剖で、オランダ語の解剖図の記載が人体の構造の真実に極めて近いことに驚愕し、杉田玄白らは安永3(1774)年に『解体新書』として翻訳を完成させました。それを出発点として我が国における西洋医学の精緻な学問としての医学導入が進みました。ここに紹介する『解体新書』ほかは、信濃町メディアセンターが所蔵する解剖学に関するコレクションです。慶應義塾大学医学部医史学教授であった大鳥蘭三郎先生旧蔵の『解体新書』も含まれます。