荒俣宏旧蔵 博物誌コレクション

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『動物世界の有用な博物誌』

Gemeinnüzzige Naturgeschichte des Thierreichs, darin die merkwürdigsten und nüzlichsten Thiere in systematischer Ordnung beschrieben, und die Geschlechter in Abbildungen nach der Natur vorgestellt werden / fortgesezt von Johann Friedrich Wilhelm Herbst, ...

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17 世紀には、博物図版に限らず、博物誌にことよせた絵はけっこう多い。その多くは愛好家の陳列室向けであった。黒檀や鼈甲製の額縁などがそうである。小さな絵で、木や銅や布に描かれ、陳列された標本に寄り添うのが常だった。たとえば厚布やビロードを敷いたテーブル上に、書物、金細工品、科学 の道具類と並んで、愛好家が溺愛した貝殻が置かれているのが目を引く。愛好家の肖像画にも貝殻は姿を見せる。この貝殻への偏愛はボロウスキーらの活躍した 18 世紀まで続いた。貝殻は「ヴァニタス」 と呼ばれるジャンルとも縁が深い。やはり「死」と結びついた主題を喚起するからであろう。貝殻は遠洋航海を、さらには生の儚さを暗示するのであった。

(鷲見洋一編集・執筆『繁殖する自然―博物図鑑の世界』慶應義塾図書館、2003年 より)

詳細情報

著者名(原書)
Borowski, Georg Heinrich, 1746-1801 Herbst, Johann Friedrich Wilhelm, 1743-1807 Sotzmann, Daniel Friedrich, 1754-1840
著者名(姓のみ日本語)
ボロウスキー
出版地・出版年(日本語)
ベルリン、シュトラールズント 1780-1789年
言語
ドイツ語
図版ページ

v. 9: 49, v. 10: 35(巻頭口絵含む) (v. 9, 10のみ所蔵)

請求記号
120Y@478@2@9, 10
資料種別
準貴重書
図版
一部公開