色々になくさめてかく月日をゝくるにある夕暮にふる里の事を思ひ出して女はうに申けるはあまりに久しくふる里を見候はねはゆかしく候ほとにいとまを給り候へかへりたく候と申けれは女はうおほせらるるやう此里へきたりては又二たひふる里へかへる事御かへり候共ふる里は中〱しんせきたへはてゝ御御身のゆかりと申人もあるましく候そや御とゝまり候へと申されけれはうらしま太郎申けるは何とも候へかしこひしく候ほとにたゝかへりたく候よし申よに心くるし