Digital Library of Yukichi Fukuzawa's Work

兵論

幕末以来の西力東漸の勢の前に、東洋諸国はその独力を保つために非常な危機に直面せねばなららかった。当時の日本は国の独立を護るに十分な力をまだ持っていなかった。この書は軍備充実を中心に、租税増徴、官民調和の必要を述べたもので、この三つの主題は永く時事新報の主論調を成した。これはその最初の論出として注目されるべきものである。
明治十五年九月九日から十月十七日まで十八回に亘り時事新報社説として発表し、十一月に四六判洋紙活字版の単行本として出版した。表紙はボール紙の芯に淡黄色の洋紙を貼った厚表紙、「福沢諭吉立案/ 中上川彦次所筆記/兵論/明治十五年十一月刊行」の文字を双柱罫と飾り枠で囲った意匠で、扉も表紙と同意匠のものを用い、左下隅に「慶応義塾蔵版之印」の朱印を捺す。緒言二頁、本文一〇九頁、奥附一頁。奥附には「明治十五年十一月四日御届/同年同月出版/定価金四拾銭/編輯兼出版人 飯田平作/東京芝区三田二丁目二番地寄留」と記し、その左側に売捌書肆として東京の丸善商社、山中市兵衛、中近堂、慶応義塾出版社、大阪の中近堂支店、丸善支店、梅屋亀七の名が所在地名と共に列挙してある。

詳細情報

タイトル
兵論
ヨミ
ヘイロン
別タイトル
On armament
出版地
東京
出版者
慶應義塾蔵版
出版年
1882
識別番号
福澤関係文書(マイクロフィルム版)分類: F7 A36請求記号: 福 36-1 著作