高橋浮世絵コレクション

百人一首之内 大江千里

One Hundred Poems by One Hundred Poets ( Hyakunin Isshu ) : A Poem by Oe no Chisato

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「月見ればちぢにものこそかなしけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」という小倉百人一首の中の大江千里の歌に発想を得た作品。提燈を持った駕籠かきが、ふと足を止めて、夜空高くに輝く満月を見上げている。駕籠には誰も乗っておらず、仲間が一人で担いでいるところを見ると、一仕事を終えて家路を急ぐところなのであろう。肉体労働に明け暮れる毎日、ふと目に入った秋の月の輝きによって、何とも言えぬもの哀しさが突然胸の中に去来したといったところであろうか。暈をかぶった満月の表現には、西洋画を意識した国芳の工夫が見られる。 藤原定家が撰したという小倉百人一首を題材にしたシリーズで、本図のように江戸時代の当世風俗に置き換えたものだけでなく、古代風俗を再現したものもある。天保期の作。 (日野原健司)

詳細情報

作者
歌川国芳
作者英名
kuniyoshi
画題
百人一首之内 大江千里
請求記号
200X@3-84
制作年代
19世紀中期
版元
エヒ子
極印
なし
版型
大判錦絵
寸法
36.9×24.8
署名
一勇斎国芳画