高橋浮世絵コレクション

東都名所 両国の涼

Celebrated Pleces in Edo ( Toto Meisho ) : Enjoying the Cool at Ryogoku

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川開きがおこなわれ、名物の花火が多くの群衆を招く隅田川の夏景色を描写する。台船から連続して打ち上がる花火の炸裂音を間近に聞きながら、特等席である屋形船の客たちは不足した酒肴を補充している。大山詣の準備で垢離をとる右下の半裸の男たちは、手にした木刀が参詣のシンボルとなっている。 歌川豊国門人でありながら、北斎にも接近した国芳が手懸けた実験的な風景版画集の一。この図でも、小舟の行燈の明かりが水面に映じるようすを意図的に表現している。ただ残念ながらその試みは長くは続かず、大衆の好みは広重画の情緒の方に勝利の軍配をあげたようだ。

詳細情報

作者
歌川国芳
作者英名
kuniyoshi
画題
東都名所 両国の涼
請求記号
200X@3-71
制作年代
19世紀中期
版元
加賀屋吉右衛門
極印
極印
版型
大判錦絵
寸法
26.0×38.0
署名
一勇斎国芳画