福澤遺墨コレクション

「独立自尊迎新世紀」

(福澤関係文書 75)

原文(白文)

独立自尊迎新世紀  明治三十四年元旦

釈文(書き下し文)

独立自尊新世紀を迎う 明治三十四年元旦 ※明治33年12月31日午後8時から慶應義塾では19世紀を送り、20世紀を迎える世紀送迎会が催された。この書はその席上で書かれたもの。

解説
明治34年(1901)元旦、新世紀の幕が開いたその日に書かれた福澤の書。33年(1900)の大晦日、慶應義塾では塾生主催の「世紀送迎会」が催された。日本人にはまだ「世紀」という概念になじみが薄かった当時、庶民の話題をさらったこのイベントでは、12時を迎えた瞬間、生徒隊によって旧習を表した戯面に向けて一斉に射撃が行われ、暗闇に「20センチュリー」と仕掛け花火で文字が浮かび上がったという。翌日福澤は、修身要領発表以来好んで用いた独立自尊の語に新世紀を迎えた感慨を託してこの書を揮毫した。この文言を決めるために福澤は推敲を重ねたらしく、「迎新世紀」の部分を「入新二十世紀」「入廿新世紀」などとした反古も残されている。福澤はこの日退席の際「ご覧の如く病気も最早全快したから、いつでも遠慮なく宅においでなさい」と述べて、一同は福澤がすっかり回復したことを喜んだが、そのちょうどひと月後、福澤は他界した。

詳細情報

種別
語句
署名
なし
関防印
「無我他彼此」(陰刻)
落款印
「明治卅弐季後之福翁」(右・陽刻) 「三十一谷人」(陰刻) 「福澤諭吉」(陽刻)
本紙サイズ 縦×横(cm)
146×52.7
装丁
軸装1幅
福澤関連文書no.
75